第1章 女神誕生
「と、とにかく!もう夜も遅いので私は帰りますね。」
話題をそらすようにコムギは帰宅することを伝える。
神父とシスターは遅い時間であることを心配し、アスタとユノも教会に泊まることを進めたが両親に何も話していないことを伝え、帰宅することを伝えた。
神父「だがここから距離のある場所であれば難しいのでは?」
「大丈夫です。魔法で移動します。」
シスター「じゃあ、また時間がある時にでもアスタやユノに会いに来て。お泊まりも大歓迎よ。」
アスタ「コムギ、絶対来いよ!」
「わかった。じゃあまた今度ね!」
コムギはそう言うと魔法を発動させる。
辺りが一瞬眩しくなりアスタ達は目をつぶる。
目を開けるとそこにはもうコムギの姿はなかった。
シスター「こんな魔法が…。」
神父「ほんとにこの辺の村の子どもなのか?アスタとユノに回復魔法まで掛けてくれて…。」
アスタ「神父のおっちゃん!俺腹減った!」
神父「あ、ああ!そうだな!夕食にしよう!今日はノモイモのソテーだぞ!」
ユノ(…またきっと来てくれる。コムギと一緒に遊べる。魔法の使い方も教えてもらおう!)
ユノはコムギの、また今度という言葉に胸を踊らせながら夕食の席に着いた。
幼いながらにアスタもユノも本気の恋をしているのであった。
コムギは家に帰ってから今日あったこと、友達ができたことを両親に報告する。
両親はとても喜んでくれた。
そしてよほど喜ばしがったのか母の体調はみるみる回復し、コムギはハージ村に遊びに行けるようになっていた。