第2章 黒の暴牛
バネッサ「たっだいまー!」
「ただいまです〜。」
生活品を買ってバネッサとコムギがアジトに戻る。
そこにはもうヤミが戻ってきており椅子に座って新聞を読んでいた。
バネッサ「団長〜、見てください!可愛くないですか〜?」
バネッサはそう言ってヤミにコムギを見せる。
買ってきた服に身を包み、元々持っていたあの2人に貰ったリボンでバネッサに髪をポニーテールに結んでもらっていた。
ヤミ「おおー、似合ってるな。」
バネッサ「でしょう〜?ほんっとにかわいい〜。」
そう言ってバネッサはコムギを抱きしめる。
バネッサに抱きしめられたコムギは少し嬉しそうにバネッサに身を寄せる。
その様子を見てヤミも安心する。
ヤミ(…少しは素を出せるようになったか。バネッサと2人で出掛けさせて正解だったな。)
バネッサとコムギが、きゃっきゃ言いながら戯れている様子を見てヤミはそう思う。
「あの、ヤミさん。」
ヤミ「お?どうした?」
「私、なにか皆さんの役に立ちたいです。洗濯、炊事、掃除と基本的な家事はなんでも出来ます。今日の夜からさせてもらってもいいですか?」
ヤミ「え、そうなの?じゃあお願い。」
意外にもあっさりしたヤミの返答。
しなくていい、と言ってすることがなくて持て余すよりなにかする事があった方がコムギにとってはありがたいことを理解した上でのヤミの判断だった。
黒の暴牛には家事を得意とする人物が居ないため、願ったり叶ったりだった。
「ありがとうございます!じゃあ夜ご飯の準備をしますね。」
コムギはバネッサと一緒に炊事場に行く。
まだアジトの中が分からないため説明のためにもバネッサも着いて行った。