第1章 女神誕生
?「…え…?」
そしてまた一瞬だった。
15歳になった時に一人ひとり授与されるグリモワールと呼ばれる魔導書。
それは使用者の魔力を高め魔法をさずけるという。
大人のグリモワールの魔法を自分たちとそんなに変わらない年の綺麗な女の子の魔法が相殺した。
男「…は…?」
「こんな小さな子ども相手にムキになって物を奪って殴って魔法を使って…。いい歳した大人がすることなの!?」
美人は怒ると怖い。
少年たちが暮らしている教会のシスターも怒ると怖い。
シスターも美人だが、今まで見た事もないくらいの綺麗な女の子とその人が作り出した状況に少年ふたりは言葉を失う。
男「…お、お前…今何をした!?」
「別に。あんたの出した魔法と同じくらいの魔力の魔法を打って相殺させただけ。私はこれくらい簡単に出来る。そのペンダントを返してその2人に謝罪するならこれ以上はしない。」
変にプライドの高い男はその言葉に眉間に皺を寄せる。
男「んなことするわけねえだろ!こんな汚ねえ子ども相手に謝罪なんてするわけが…」
「だったら意識飛ばしてでも土下座させる!!!」
男が話している途中だったが怒りで溢れているコムギは男が話を終える前に男に向かっていく。
向かって行くというよりは男の元に魔法で移動してそのまま…
「その腐った根性どうにかしなさい!!!!」
男のみぞおちに思い切り魔力を込めたパンチをお見舞いした。
ドォンッ、という鈍い音と共に男が吹っ飛ぶ。
男が吹っ飛んだ先には木箱や樽がありそれさえも壊して男はその先にあった家の壁に叩きつけられる。
そしてそのまま白目をむきながら正座をして頭を地面につける形で倒れ込む。
「これで少しは懲りるでしょ。」
しかし音を聞き付けた近隣住人や酒場で飲んでいた大人たちが外に出てくる。
村人「な、なんの騒ぎだ!?」
村人「おい、こいつさっき金がなくて酒場を追い出された男じゃないか?」
村人「なんでこんな所で倒れてるんだ?」
(ちょっとやばい!!)
怒りで我を忘れていたがハッと我に帰り、ヤバいことをしたと気づく。
「ごめん、ちょっとだけ時間ちょうだい!」
2人「「え?」」
ふたりと手を繋ぎそのまま魔法でその場を去った。