第1章 女神誕生
「……ん…。」
コムギは知らないところで目を覚ます。
そこには綺麗に装飾された天井が見えた。
「…ここは…」
そして思い出す。
村が焼かれたこと。
父と母が死んだこと。
「…あ…ああ…うう…。」
コムギは涙が出る。
(私、もしかして敵に捕まった…?)
そう思っていると…
ヤミ「お?目ェ覚めたか?」
「…だ、だれ?」
ヤミ「まあそうなるわな。」
?「おお!目が覚めたのかい!?」
ガタイのいい男の後ろに派手に装飾されたマントを着た男性がいる。
ガタイのいい男はタバコを吸っている。
ヤミ「俺はヤミ。ヤミ・スケヒロ。お前の村を助けに行ったけど間に合わなかった、すまねえな。」
?「僕はユリウス・ノヴァクロノ。」
「ヤミさんと、ユリウスさん…。私の村はやっぱり…。」
ヤミ「…すまねえな。」
「ヤミさんのせいでは無いです。だから大丈夫です。お気になさらないでください。」
ヤミの着ているローブにコムギは目を引かれる。
村でも何度か聞いたことがあった。
魔法騎士団はローブを着ていると。
「魔法…騎士団…?」
ヤミ「ああ、そう。俺、魔法騎士団黒の暴牛の団長。」
「…だ、団長!?」
ヤミ「団長なんかで驚くか?隣のこのおっさんの方が驚くだろ。」
ユリウス「え、僕?」
ヤミ「この人、魔法帝。」
「…え、えええ!?」
クローバー王国で最も強い魔道士。
それが魔法帝。
そしてアスタとユノが目指している人物。
その人が今コムギの目の前にいる。