第1章 女神誕生
外でバタバタと足音が聞こえる。
そして…
男「捕らえたぞ!」
男「お、おい!そいつ身体が光ってる!」
男「この魔法は…!?」
母「アナタたちにこの身体は渡さない…。」
母のそんな言葉が外から聞こえる。
扉の部屋にいるため外の声しか聞こえず状況が分からない。
そして…
ドオオオオオン!!!!
「…え?」
扉の外から大きな爆発音が聞こえた。
それと同時にコムギのいる部屋の外にいる母とダイヤモンド王国の男たちの魔力が消える。
(…まさか…まさか…!)
いても経ってもいられずコムギは外に飛び出す。
そこには信じられない光景が広がっていた。
「…う、うそ…。」
コムギがいた部屋意外何も残っていない。
部屋の隣に部屋があったのに。
部屋諸共、母が自害したことがコムギにも分かった。
「…あ、ああ…。」
思わずその場に腰を抜かす。
「ああ…。こんな…こんなことって…なんで…。」
村はすべて焼かれていた。
そしてダイヤモンド王国の魔導師たちは1人残らず母と共に消えていた。
恐らくこの村に来た全員がコムギの姿をした母を追っていた。
(なんで…なんで私が…?)
(私がいなければこうはならなかった…?)
「いやああああああ!!!!」
コムギはそのまま意識を手放した。
するとそこに……
?「団長!子どもの声が!」
?「どこだあ?って、お?」
コムギの元にひとりの男性とガタイのいい男性が寄ってくる。
?「おーおー、生きてるよな?とりあえずダンナの所に連れて行くか。」
?「こんなにひどい現場なのに傷ひとつない…。」
?「村人たちが守ったんじゃねえか?」
コムギは男のほうに姫抱っこをされる形になる。
?「おいフィンラル、早く空間魔法出せ。」
フィンラル「分かりました。ヤミさんその子は…」
ヤミ「とりあえず保護だ。この村の唯一の生き残りだ。」
ヤミと呼ばれた男とフィンラルと呼ばれた男は空間魔法で村を後にした。