第1章 女神誕生
アスタ「いくぞコムギー!!!!」
「さあ来い!」
アスタは木の棒を持ってコムギに向かって行く。
反対にコムギも木の棒を持ってアスタに向かっていく。
ふたりは木の棒を剣に見立て、特訓をしていく。
魔法の使えないアスタは体術の特訓を行っていた。
「すごく動きが速くなってる!」
アスタ「おう!コムギがユノと特訓してる時でもサボらず特訓してるからな!」
「さすがアスタだね。」
何時間も何時間も同じ特訓をして、体の動きや敵の動きの見切り方などを体に叩き込んでいく。
アスタの特訓ではあるが、コムギにとっても特訓になっている。
そして夕方になるまで特訓をしていた。
アスタ「コムギはユノが好きなのか?」
「え?」
アスタ「ユノはコムギのことが大好きだもんな。俺はシスターのことが大好きだし。コムギは好きな人はいないのか?」
考えたことがなかった。
というかアスタとユノがわかっている感情がコムギには分からなかった。
コムギもユノは好きである。
だが、ユノと同じ種類の好きではない。
「んー、どうでしょう?」
アスタ「えー!なんだよその返事!ずりー!」
「ふふっ。」
コムギはアスタと手を繋ぎながら帰路に着く。
ユノと手を繋ぎながら話をして帰る時間も好きだが、アスタと他愛もない話をしながら帰るこの時間も好きだった。
「アスタ、ユノに聞いたんだけど、このリボンありがとうね。すっごく嬉しかった。」
アスタ「おう!似合ってるぜ!」
「ありがとう。」
今日はリボンを使って2つ結びをしていたコムギ。
改めてアスタにお礼を言う。
そして教会にアスタを送り届けた後、魔法を使って自分の村に帰りついた時だった。
村の家が燃えて空が真っ赤になっていることに気づいた。