第1章 女神誕生
だがユノにとってコムギは姉という存在ではなく、ひとりの女性・好きな女の子、という存在。
ユノ「コムギは今日も可愛いね。」
「え?あ、ありがとう。」
ユノ「俺、ほんとにコムギが好きだよ。」
「私もユノが好きだよ。」
ユノ「コムギの俺に対する好きと俺のコムギに対する好きは違うよ。」
コムギは分かっていた。
ユノはほんとに異性としてコムギを好きなこと。
コムギが思っている弟のような感情ではなく、アスタがシスターに対して思っている感情と同じであることも。
ユノ「コムギ、あの時より髪の毛伸びたね。」
「ユノやアスタと初めてあった日はもう3年前だからね。そりゃあ髪の毛も伸びるよ。」
コムギがアスタとユノを助けた日から1年が経っていた。
出会った頃は肩につかないくらいのボブヘアーだったコムギの髪は鎖骨より少し長いくらいの長さになっていた。
「そろそろ切ろうかなと思ってるんだけどね。」
ユノ「じゃ、じゃあ!俺1回コムギの髪の毛結んでみたい!」
「え?」
ユノ「魔法のコントロールもだいぶ出来るようになったし風魔法を使って結んでみたい!」
たしかに髪の毛を結ぶのは意外と繊細な作業。
コムギも自分で結べるようになるまで少し時間がかかった。
それを魔法でするのは繊細なコントロールが必要になる。
「たしかに魔法の練習になるかもね。」
ユノ「じゃあ!」
「うん、お願いしてもいい?」
ユノ「任せて!」
この日から魔法を使って髪を結ぶという少し特殊な魔法の特訓が始まった。