第1章 先輩と彼女
「そうですね…とりあえす、さん付けやめましょうか」
「え…?」みるみる赤くなる環に「はい、試しに呼び捨てで呼んでください」
「じゃあ…まみさんも俺のこと先輩呼びなしで…」
「そんなの簡単………
た……
たま…き?」
いざ声にだすと恥ずかしく、まみは自分でも顔が赤くなっていくのが分かるほどだった
「まみさん顔真っ赤、疑問系だったし」
緊張がなくなったのか、少し微笑みながら#NAME#を揶揄う
「ひどい、ちゃんと名前呼んだのに」
恥ずかしいのを誤魔化すように環の腕を叩く
「ごめん、でも、嬉しい、呼びすて」
まだ続く攻撃に、環はまみの両腕をつかんで止めると
「まみ」
しっかりと目を合わせて声にでた名前は、時が止まったとは大袈裟な表現かもしれないが
それだけ大切な言葉に聞こえて嬉しさも込み上げて
恥ずかしさと入り混じって
普段目を合わせないくせに、こんな時だけ見つめられて、逆に視線をずらしてしまった
「まみ…すごく可愛い…」
気がつくと環の顔が目の前にあって、唇に柔らかいものがふれた
唇が離れると同時に掴まれていた腕も離れると、目の前にはいつもの自信なさげな環がいて、顔を赤らめながらも視線を逸らして座っている
「な、何が、どうしていいかわからないって…」
顔を真っ赤にしながら突然のキスに文句を伝えようとしたが
「だって、まみが可愛くて…」
ほぼ視線を逸らせてるくせに、目を合わせて「嫌だった?…」
なんて言われたら「嫌じゃない…」って言うしかない
「環はずるい、可愛いしかっこいいし、ドキドキしっぱなしで心臓壊れちゃうよ…」
キスだって初めてだったのにって小さな声で赤い顔のまま俯くと
困った顔して環は覗きこむように近づくと
耳元で「もう一回する?」
小さく囁くものだから思わずばっと離れてしまった
「それ、そう言うとこ!無自覚ですか!?」
少し驚いた顔をするも、いまいち理解していない環は
ただただ可愛いと
終始恥ずかしさで顔を赤らめたまみの後頭部に手をまわして
2回目、3回目のキスをおとした
。