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【鬼滅の刃】母に似た女性

第4章 肆


父の影が彼女に覆い被さったのが解った。
微かに水音が聞こえ始めた。熱っぽい吐息も聞こえてくる。しばらく聞いているとその水音が徐々に大きくなり、吐息が嬌声に変わり始めた。その水音と彼女の声は俺自身を容赦なく刺激した。

嬌声は益々大きくなる。
俺のそれは褌の中で浅ましくも昂り、先端を濡らし始めていた。
上に乗った影の腕の動きが速く、烈しくなる。彼女の腕が父の腕を掴んで止めようとしているのが解る。あの父が、その程度の抵抗で止める訳がないであろうことを俺は知っている。彼女の嬌声がより艶を帯びたものになってゆく。


一際大きな嬌声と共に、下になった影の背が大きく跳ねて仰け反った。障子戸にびしゃっと水飛沫が散った。
__これは……。
俺は思わずその障子戸の水飛沫に指を伸ばした。
その拍子に、僅かにそこに穴が開いた。いや、それは穴とすら言えないほどの隙間であった。


__ここから中が見えるのではないか。


何てことを思ってしまったのか、と俺は思った。
そんな卑しい行為など、以っての外だと思った。

だが俺はこの日、自分があまりにも卑しく、理性のない男であったことを初めて知った。
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