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【鬼滅の刃】母に似た女性

第3章 参


その日は母の月命日だった。仏壇に花と、母の好物だった菓子を供えた。毎月その日だけは、父が少し丸くなるのを俺も千寿郎も知っていた。

その日の晩、またその女性は訪れた。
やはり彼女は母の縁者なのだ、仏壇に線香を上げに来たのだろう。そうに違いない、と俺は何故かそう信じ切っていた。

母の話をしているのであろうか。
二人が何を話しているのか気になり、俺はいけないと思いながらも父の部屋に近付いた。
するとそこに、障子に大きく映る二つの影が見えた。声はほとんど聞こえない。俺は更に近付いた。

その時。
一つの影がもう一つの影を引き寄せた。



着物を脱がせているのだ、と気付いた時、俺の心臓がどくんと大きく跳ねた。
見てはいけないものを見てしまった、と思った。しかしそう思いながらも、俺はどうしてもそこから目を離すことが出来なかった。
俺のそれが、ぴくりと頭を跨げたのが解った。

心臓は、ばねのように烈しく跳ね続けていた。影しか見えないのが歯痒い、と思ってしまった自分が情けなかった。
その着物を脱がされた影が女性であることは明らかだった。その豊かな乳房が揺れているのが見てとれた。
そしてその乳房に顔を埋めている父の影があった。吐息に混じって微かに女性の甘い声も聞こえてくる。

俺のそれが一気に勃ち上がった。彼女のその声をもっと聞きたいと、俺は更に障子戸に近付いた。
彼女はもっと甘い声も出すのだろうか。そう思った時、自分の喉が鳴った。それは今まで聞いたことのないぐらいに、ひどく厭らしい音だった。
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