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【鬼滅の刃】ある鬼狩りの家で働いた話

第1章 〜 最終章


どれ位の時間が経ったのだろう。
全てが終わった後、彼は私の口を開けさせ、褌を抜き取った。そしてその開いた口に自身を押し込み、綺麗にしろ、と言って腰を揺らした。
手を使わない奉仕に満足したと言い、それを口から抜いた後には、幾度となく絶頂の声を飲み込んでぐっしょりと濡れた褌を、彼は再び身に付けた。

私はよろよろと着物を直し、一礼して部屋を出た。その足で風呂に向かう。汚れた体を、石鹸を付けて何度も何度も洗い流した。


******


自室に戻って仮眠を取ろうと横になる。

うとうととしていると、部屋の前に気配を感じた。あの人かと一瞬体が強張ったが、どなたですか、と何とか声を掛ける。
その気配は、
「俺です、只今任務から戻りました」
と言った。心底安心した。

慌てて乱れた髪を簡単に結い、お帰りなさいませ、と言って台所に向かう。
疲れているだろう長男坊に、先程準備していた握飯と味噌汁を出す。
美味い、と言って握飯を頬張っている姿は、鬼狩りとは思えないほど無邪気に見える。

ふと彼がじっとこちらを見つめている。何となく気恥ずかしくなり、どうなさいました、と眼を逸らして問いかける。
すると彼は、
「御髪が乱れてしまっている。俺が直して差し上げましょう」
と言う。坊ちゃんにそんなことをしていただく訳にはいきません、と断ったが、
俺は弟の髪も結ってやっていたのだから気にすることはない。だからこちらへ、と全く意に介さなかった。

仕方なく彼に背を向ける。自分で言っていただけあって、確かにその手付きは慣れたものだった。

毛先に薄く椿油を付けると、櫛が通される。毛先を梳かし終えると、少し上部へ櫛を動かす。椿油を付けながらゆっくりと梳かしていく。時折櫛の歯が頭皮に当たり、心地良さに全身が総毛立つ。先程の乱暴を忘れてしまいそうになる。

どうしてここの家の坊ちゃん達は、こんなに優しく育ったのだろう、と改めて思う。この坊ちゃん達がいれば、何とかまだここで働いていける、と思った。
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