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ブラック企業より楽だろなめんな(ツイステ)

第16章 商売をするなら……


「記子さん、少しお時間よろしいですか?」

「はい支配人、何なりと」



ただ一つ、アズールからの呼び出しが多くなった。

最初こそ仕事に関する指示だったため、何の違和感もなかったのだが、最近になって内容が全く関係のないものになりつつある。



「失礼します、お呼びでしょうか支配人」

「ああ記子さん、待っていたんですよ。少々時間がかかりすぎではないですか?」

「遅くなり申し訳ございません、指導を頼まれましたので」

「次からは僕を第一優先にしてください、さあこちらへ」



呼び出され、アズールのいるVIPルームに行くと、ソファーに座らされる。

いつの間にかジェイドさんが紅茶を用意してくれており、勧められるままにいただく。



「如何ですか?」

「美味しいです、いつもありがとうございます」

「それなら良かったです、お菓子も用意しましたので是非召し上がって下さい」



お菓子を用意してくれているのはありがたいのだが、まさかこれだけの為に呼び出されたのかと疑問に思う。

そう考え、指導の進捗状況などを述べたりするのだが、対する反応は「そうですか」のみ。

考えるのを諦め、アズールの気が済むまで好きなようにさせているのだが、アズールにしては非常に効率の悪いことをするなと思っていた。



それからしばらくして、遂にイソギンチャク生は全員解放された。

預けていた魔法も返却されたらしく、サバナモブ含め元イソギンチャク生達に盛大に感謝された。



「これに懲りたら、今からでも徹底的に勉強しとけ。次はないからな?」

「姉貴、姉貴は本当に最高の姉貴っすよ! ところで、姉貴はいつまで働くんですか?」

「アズール先輩の気が済むまでかな、元々私の労力と引き換えにお前らの解放を頼んだわけだからな」



まあ、そろそろ私の役目も終わりだろうな。

しかも今、私ほとんどVIPルームで紅茶しか飲んでないし。

本当に何の為に呼び出されてるのか一切分からないんだけど、何なの?
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