第2章 見覚えのある場所だなと思ったら……
「え、しかし貴女の使い魔ではないと……」
「学園的には認められないのはわかるけどさ、学習意欲のあるやつを無碍にするのは違うと思うんだよね。こいつの面倒は私が見るし、何かあったら私が責任を取る。だから、こいつも一緒に通わせてやってくれないかな?」
「お前っ……!」
「その代わりグリム、お前には今から適性試験を受けてもらう。合格したら面倒を見るが、不合格ならあの世行きだ。それでも受ける覚悟はあるか?」
まあこれくらいの脅しで怯んじゃ根性無しだからな。
案の定どこから来る自信なのか知らないけど受けるって言ったし、ちょっと面倒見てやるか。
あ、そういえば主要キャラ完全放置してる……まあいいか。
「想定内の酷さだな」
仮にも学園のものなんだよね?
だったら管理能力皆無すぎると思うんだけど。
ものを大切にしましょうという精神が欠落してるのがよく分かるわ。
だからオバブロが多発するんだよ。
「さあグリム、最初の試験だ。ここを掃除しろ」
「オレ様一人でか?! そんなのい」
「今すぐあの世行きにして欲しいか?」
「やってやる! やるんだゾ!」
部屋の汚れは心の乱れっていうし、まずは綺麗にするところからだな。
じゃあグリムが掃除してる間に、先住民にご挨拶といきますか。
「いるんだろ、出てこいよ」
「おや~俺達を見ても怖がらないね?」
「生きてる人間の方が怖いからね。君達に断りなく入っちゃったから、きちんと挨拶させてほしかったんだ」
ゴーストだって元人間だし、人間が嫌だと思うものは嫌だろ。
仲良くしたいなら、素性を明かして相手を知ることからしないとね。
「記子見ろ、終わったんだゾ!」
「やればできるじゃんグリム、あんたを信じて良かったよ」
ちゃんとしようとする子は、盛大に甘やかしたいと思うんだよね。
特にグリムは褒めて伸びる子だから。
「よーし、掃除を頑張った君にはご褒美をやろう。口開けて?」