第11章 ミッドナイト 「好きな料理」
それから毎日、料理は私が作った料理を他の人に説明をしてもらう。
そんな毎日が続き、何年か経って、フェアリーテイルというギルドが攻めてきて六魔将軍の皆は負けた。
私も取り調べを受けてから近くの街に住ませていただけることになった。
その街で料理人をやらせてもらって数年。
皆の事を忘れたことは無い。特にミッドナイト様の事は。
家に帰って電気をつける前に気配を感じる。
「…誰かいる?」
「誰でしょう」
久しぶりに聞く声が聞こえる。
もしかしてコブラ様?
「正解!!」
「えっ…!」
そう言われてつい玄関の扉に後ずさるとエンジェル様が飛びついてくる。
「カナタ!久しぶりだな!」
「エンジェル様…!?」
抱き合った後電気をつけるとベッドが少し膨らんでいる
もしかして…
「……カナタ来た?」
ミッドナイト様が私の布団から出てくる。
それを見たときに目の前が滲みだした。
「…なんで泣いてるの?」
ミッドナイト様はゆっくりと歩いてくる。
「ごめんなさい…!!あの時はごめんなさい!!あんな事思ってもなかったのに言っちゃって…」
3人に謝るとミッドナイト様が口を開く。
「…………こっちこそ、ごめん。本当はボク達分かってたんだ。カナタが嘘ついてたの。でもあの時ブレインに立ち向かおうとは誰も思わなかった」
……コブラ様?
コブラ様の方を見るとニッと笑っている。
「俺は何も言ってねえ。コイツらもお前がそんな事言うとは思ってないんだよ」
エンジェル様を振り返ると彼女も笑っている。
「そうだゾ。私達はカナタとずっといたんだからそれくらい分かって当然だ!」
「……カナタの料理だってずっと分かってた」
ほかの2人も同意する。
私の料理を感じてくれていたんだ。嬉しすぎる。
「…………それに、ボクの好きな料理あったんだ。アンタ作ってくれるでしょ?」
あの時の事、覚えててくれたんだ。
「ボクはカナタの料理が好き。これからはアンタの料理しか食べないから」
そう言われてまた涙が溢れ出る。
「……お腹空いた」
「はい!お二人の好物も作りますね!」
やったー!と飛び上がる2人を見ながら台所へ向かった。
-𝑒𝑛𝑑---------