第24章 ジェラール 「プレゼント」
〜おまけ〜
その後、ウルティアさんとメルディさんがジェラールを迎えに来た。
「ふふ。ジェラール、幸せそうだね〜」
茶化すように話すメルディさんにジェラールは少し顔を赤く染めて「うるさい」と呟く。
ウルティアさんは私の顔を見る。
「……貴方も、幸せそうね」
「はい。……プレゼントありがとうございます。嬉しかった」
私も微笑むと満足そうに微笑んでウルティアも頷く。
「お礼を言われることはしてないわ。彼も貴方も幸せになるべき人間なのよ」
そう言ってウルティアさんは2人の元へ向かう。ウルティアさんの顔を見て2人も頷いてから街の外へと歩み出す。
ジェラールは一度もこちらを振り返らなかったけど、逆にそれが有難かった。
3人が見えなくなっても私は見つめ続ける。
冷たい風が吹いてきて少し身震いをする。
「……中入ろう」
そう呟いて扉を開けた瞬間、本当に一瞬だけ、シーナさんの香水の匂いがした。
-𝑒𝑛𝑑--------