第11章 ミッドナイト 「好きな料理」
それからは毎日のように4人で晩御飯の後少し話すようになった。私が1番楽しみな時間にもなった。
皆でクッキーを作ったりもした。
ミッドナイト様はただ寝てるだけだったけど、それを談笑の時間に食べたり晩御飯のデザートとして出してみたりもした。
ブレイン様が顔をしかめたときは私が冷や汗をかいていてそれを見て3人は笑いを堪えていた。
この毎日が続いて欲しかったのに。
ある日ブレイン様に部屋に呼び出された。
頭を下げて入ると
「よく来た。頭を上げてここに座りなさい」
と言われて向かいの椅子に座らせてもらう。
何の話かとビクビクしている私にブレイン様も眉を下げて言ってきた。
「カナタ。君には悪いがここから出ていってくれないか?」
……え?
「何でですか……?私が何かしてしまいましたか?なら直しますから…!」
嫌だ!もうここは私の居場所なのに。
そう思いながら叫ぶように言ってしまう。
しかしブレイン様も下を向きながら言った。
「君があの子たちと仲良くしたことであの子達に慈悲という感情が芽生えてしまった。本来は怪我なく追われる戦いも怪我をして帰ってきてしまうんだよ」
そう言われて黙り込んでしまった。
私のせい?でもあの人達が人間らしくなったっていうことでもある筈だ。
でも、皆が怪我をする必要が無いのに怪我をして帰ってくるのは嫌だ。
「……ここから出ていく理由にはなりません」
でも……皆と会えないのも嫌だ。
「もう二度とあの人達に会わないから……ここから出さないでください」
私は下を向きながらそう言った。
するとブレイン様は私の肩を叩いた。
「本当に会わないと約束できるか?」
ブレイン様のその問いにコクッと頷く。
でも私も条件を出す。
「料理は……私に作らせてください」
「……それくらいなら良い」
そう言って私に微笑みかけてきた。
そして出ていく間際に
「今日の夜までだ。別れを言いに行ってやってくれ。できるだけ『酷く』ね」
と今さっきの笑みで。