第5章 エルフマン 「君と見たい星空」
目覚めたのはフェアリーテイルの医務室。
ウェンディがクエストに行っていたからレビィが軽い手当をしてくれたようだった。
とはいえ、体に穴は空いてる。
ウェンディー…!帰ってきて……!!!
心の中で祈っていると医務室のドアが勢いよく開く。
「大丈夫か!!」
肩で息をしながら聞いてくるエルフマンに笑った。
レビィから目が覚めたことを聞いたのかな。
「うん。大丈夫!」
闇ギルドの人は今さっきそのクエストに駆り出されていたグレイとジュビアに引き渡したようだ。
「その…、すまねえな。台無しにして...」
額をポリポリかきながら謝ってくる。
「ううん〜。だって私たちの本業は魔道士ですから!」
そう言って全然ない力こぶを作って笑うとエルフマンはベットの横にあった椅子に座った。
「本当、ごめんな。」
落ち込んでいるエルフマンの頭を撫でる。するとみるみるうちに顔が真っ赤になった。
口をパクパクさせているエルフマンに話す。
「こっちこそごめんだよ。お出かけも出来なくて戦わせて……エルフマンに迷惑かけちゃった」
「迷惑なんかじゃねえ!」
大きい声にビクッと体が跳ね上がった。
また謝られる。
そして今度は声を抑えながら話し始めた。
「…俺も出かけるの楽しみだったし、怪我もしてねえから大丈夫だ。2人でハンバーガー食べただけで充分楽しい」
「そっかー」
2人で笑いながら話す。
確かに楽しかった、けどプラネタリウムのチケット、カップル用のだったからこの気持ちに気づいてもらえると思ったのにな。
本当ならとっくに2人で見ていた星空。
あーあ、もうプラネタリウムは閉まっている。
「楽しかったんだけど……」
そう呟いて私は下を見る。
するとエルフマンは少し考えてから立ち上がった。
「今日はゆっくり休んでろ」
そう言って出ていってしまったエルフマンを名残惜しいと思いながらも見送ってから私は寝た。