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短編 フェアリーテイル

第5章 エルフマン 「君と見たい星空」


プラネタリウムに行く前に昼ご飯を食べようと思ってハンバーガーを買っていく。

近くにあったベンチに座って2人して夢中になってもっもっ、と食べる。
初めて見たお店だけど美味しいな……。

パッとエルフマンの方を見ると私のことを見ていた彼と目が合った。


「ソースついてる」


私の口元に付いたソースをエルフマンは人差し指で拭ってから舐めた。


「んっ、美味いな!俺のも食べるか?」


何も無いみたいに私に食べかけのハンバーガーを微笑みながら渡してくる。
こっちは照れているというのに……。

真っ赤になる頬を手でつねってからエルフマンのハンバーガーを食べる。


「…美味しい」


「だよな!」


そう言いながらまたハンバーガーを食べるエルフマンを眺める。
…普段は恥ずかしがり屋なくせに。

どこか負けた気分になってエルフマンを睨むと彼はアタフタし始めた。


「ど、どうした!?俺が何かしたか!!?」


「んーん!なんか悔しいの!」


「な、何がだ?」


オドオドする彼を見ていると口元が綻んでくる。


「ふふ。なんでもない!」


そう言って手を合わせてからハンバーガーのゴミを捨てに行く。
するとエルフマンも一口で残りを食べてしまって後ろから走ってついてきた。


「何が悔しかったんだ……?」


肩に手を置いて目を見て聞いてくる。
よっぽど気になっているようだ。


「そういうこと聞かないのが漢だよ?」


そう言うとサッと私から離れる。


「そうか。なら俺は聞かん!」


フンッと胸をはって横を歩くエルフマンに私はまた微笑んだ。



歩いて数分
どこからか強い魔力を感じる……。

チラッとエルフマンを見ると彼も私を見て頷く。
そして2人でプラネタリウムの場所とは反対の今来た方へ走った。


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