• テキストサイズ

短編 フェアリーテイル

第3章 ラクサス 「想い出の歌」


私が目を覚ましたのは収穫祭の日だった。


「良かったあ…。ラクサスと戦ったんだって?…ほんとカナタちゃん全然起きなかったから怖かったんだよ?」


とレビィが微笑んでくれたのを覚えている。
後から聞くとナツとガジルがラクサスを倒したらしい。


「凄いよね!!」


と少し興奮気味になるレビィに適当に相槌を打ってしまっている。レビィが落ち着いてから私は口を開いた。


「ラクサスは?」


さっきとは一変、表情を固まらせてしまった。私はレビィの手を握る。


「……破門、だって」


私はそれを聞いて立ち上がる。


「ダメだよ!まだ寝てないと!!」


レビィは私を止めるがその制止を振り切ってマスターの元へ歩いた。


「おお、カナタ、起きたのか!」


嬉しそうに微笑むマスターに


「なんで、ラクサスを破門にするの…!!」


涙をこらえながら聞いた。


「ラクサスは、悪い人じゃないのに…!マスターが1番分かってるじゃん。……マスター!」


少し驚いた様な顔をしてからマスターは微笑んだ。


「…そうか。カナタはラクサスと良く話してくれてたもんのぉ……。しかし、ラクサスは一体ワシらの家族を何人傷つけた?」


微笑みから真剣な顔になる。
…そう、ラクサスは家族を傷つけすぎた。


「…ほんとは、分かってる…。ラクサスがした事くらい…。でも、私はラクサスと……」


ラクサスと最後に話していた事を思い出して泣き出してしまった。
マスターはそれを見て私の頭を撫でる。


「あの馬鹿孫を好きでいてくれてありがとう」


その一言に私は声を上げて大泣きした。



収穫祭の準備でほとんど人が居なかったからマスターは私の頭をアタフタしながら撫で続けていた。

そんなマスターから聞いた収穫祭のパレードの計画。


「素敵!やりたい…!!」


そう言ってマスターとその計画を皆に広めて言ったのだった。


/ 197ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp