第3章 ラクサス 「想い出の歌」
私が目を覚ましたのは収穫祭の日だった。
「良かったあ…。ラクサスと戦ったんだって?…ほんとカナタちゃん全然起きなかったから怖かったんだよ?」
とレビィが微笑んでくれたのを覚えている。
後から聞くとナツとガジルがラクサスを倒したらしい。
「凄いよね!!」
と少し興奮気味になるレビィに適当に相槌を打ってしまっている。レビィが落ち着いてから私は口を開いた。
「ラクサスは?」
さっきとは一変、表情を固まらせてしまった。私はレビィの手を握る。
「……破門、だって」
私はそれを聞いて立ち上がる。
「ダメだよ!まだ寝てないと!!」
レビィは私を止めるがその制止を振り切ってマスターの元へ歩いた。
「おお、カナタ、起きたのか!」
嬉しそうに微笑むマスターに
「なんで、ラクサスを破門にするの…!!」
涙をこらえながら聞いた。
「ラクサスは、悪い人じゃないのに…!マスターが1番分かってるじゃん。……マスター!」
少し驚いた様な顔をしてからマスターは微笑んだ。
「…そうか。カナタはラクサスと良く話してくれてたもんのぉ……。しかし、ラクサスは一体ワシらの家族を何人傷つけた?」
微笑みから真剣な顔になる。
…そう、ラクサスは家族を傷つけすぎた。
「…ほんとは、分かってる…。ラクサスがした事くらい…。でも、私はラクサスと……」
ラクサスと最後に話していた事を思い出して泣き出してしまった。
マスターはそれを見て私の頭を撫でる。
「あの馬鹿孫を好きでいてくれてありがとう」
その一言に私は声を上げて大泣きした。
収穫祭の準備でほとんど人が居なかったからマスターは私の頭をアタフタしながら撫で続けていた。
そんなマスターから聞いた収穫祭のパレードの計画。
「素敵!やりたい…!!」
そう言ってマスターとその計画を皆に広めて言ったのだった。