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短編 フェアリーテイル

第3章 ラクサス 「想い出の歌」


「バトル・オブ・フェアリーテイル…?」


ラクサスが言い出したこの計画は仲間同士を戦わせる地獄みたいな計画。

ふざけてる。貴方はどこまで堕ちたんだ。


エルザやレビィは石にされ、女の子は私と最近入ってきたルーシィしかいない。

ルーシィや石になった皆をおいて私は走り出した。


「ちょ、リリスちゃん!?」


「ごめん…!でも今私はラクサスと話したい…!」


止めるとか怒るとかじゃなくて、話したい。欲を言えばこれが嘘だって言ってほしい。




走って走ってただ走った。
なのに私は誰にも会えない。

ウォーレンから皆が戦って仲間割れしてるって聞いているのに私には何も出来ていない。

ルーシィがビッグスローと戦っているのに、私は何も出来ない。

エルフマンがエバと戦っているのに、私は…


カナとジュビアが戦いだしたと聞いた。ああ…。
私は膝を抱え込んで座り込んだ。

カナもジュビアも私の大好きな友達。
いつも何かと面倒を見てくれていたカナ。
恋バナで盛り上がって励ましてくれたジュビア。
そんな2人が戦っている。

それを止める事もできない。


私は今何をしているの……?


そう思って泣きそうになっていると座り込んだ私の前に人影が1つ。上を見るとボロボロになったフリードが立っていた。


「…ラクサスを、止めてくれ……」


「どうしたの...?」


そう言いながら涙を流す彼。よろめく背中に手を当ててフリードを支えた。


「…俺も、こんな事はダメだと思ったけど、止められなかった……。カナタなら…」


そう言って力がふっと抜けたように倒れてしまった。
慌てて声をかけると


「ラクサスは…ここに、いるから…」


そう言って術式魔法で場所を教えてくれた。
フリードを建物の影に寝かせて私は走り出した。




「…ラクサス!」


そこに居たのはマントを肩にかけた彼。


「…お前、まだ生きてたんだな」


私を見ないまま話しかけてくる。まるで死んでいてほしかったかのようだ。


「ラクサス…。話をしない?」


「…他の奴らを助けに行かなくて良いのか」


私の言うことを無視して逸らされる。
ラクサスにまた一歩近づいて腕を掴んだ。


「仲間も心配だけど、私はラクサスが1番心配なの」


ラクサスは少し息を飲んだ。



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