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短編 フェアリーテイル

第2章 グレイ 「多分貴方のこと」


ばっと頭から手を離される。手の温かさが消えてしまった。


「...なに?」


邪魔をされてしまって私は膨れた。それを見た呆れたようにローグが首を振る。


「...帰るぞ、と言いに来た。なんだそのフロッシュみたいな顔は」


「フローもそう思う」


...フローの顔は可愛いから褒め言葉でしょ。
グレイに向き直って笑った。


「次会うまで、誰とも付き合わないでね。私にはハンデがあるんだからそのくらいはお願い!」


手を合わせて首を傾げるとグレイは手をしっしっ、とやった。


「わーったから早く帰れ」


でも顔は笑っている。こんな雰囲気も私は大好きだ。



皆でギルドへ帰る途中、突然ローグに頭を撫でられる。


「...言ってくれたら俺だっていつでも撫でた」


ローグがそんな事を言うのに驚いて笑ってしまう。少しムッとした顔をされたがすぐにローグも微笑んでくれた。



それから何ヶ月が経って新しい剣咬の虎にみんなが慣れてきた頃、私は1人でクエストに行った。

クエスト場所はマグノリア
妖精の尻尾がある場所で行事の手伝いをするらしい。

久しぶりにグレイに会いに行こうかな。


マグノリアに到着して会場に行く。

...いや、何で?
案内されたのはプールでナイトプールのキャストをしないといけないようだ。
...クエストの紙を見ると...ちゃんと書いてる。
やっちゃった、初めてくらいの大失敗。

だって...際どい水着を着なきゃいけないから...。


何個か用意されていて1番布面積が多いのを選んだ。スカートタイプなのは嬉しいけどミニすぎる。
履いてみたら太もももちょっとしか隠されてなくて少し動いたら普通のビキニと一緒。上の方は際どい水着にレースの長袖を着せられた


「これ新品だから!持ち帰ってもらって大丈夫だよ」


と女性スタッフににこやかに言われるが多分この仕事が終わったら棚に封印されるであろう。




夜になって客が増えてくる。


「お姉さん ワイン頂戴」


「姉ちゃん! 軽食持ってきて」


めまぐるしい忙しさで水着は気にならなかった。

が、今会ってしまった。フェアリーテイルの皆に




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