第24章 ジェラール 「プレゼント」
「お前が居なくなって……、ミリアーナに話を聞いて…。俺が弱かったんだって、気づいた」
「…うん」
頷きながらジェラールの頭を撫でる。
「その後……、俺は…」
辛そうに目を伏せて呟く。私の顔を見て黙り込んでしまった。
私はそれに気づいて落ち着かせるように優しくジェラールの頬を撫でた。
ジェラールはその行為に少し驚きながら私の目を見てすぐに目を逸らした。何か隠しているようなジェラールを私はじっと見つめ続けた。
しばらく2人とも黙り込んでいると、ジェラールが口を開いた。
「…カナタ。……俺、あの後沢山最低な事して…ミリアーナ達の人生を狂わせたんだ。…マモン…も」
そう呟くとジェラールは私の体から手を離す。
「…ごめんな、カナタ。俺みたいな罪を償うべき人間がお前と幸せになりたいとか考えてた」
そう言って辛そうに微笑むジェラールに今度は私が苦しくなった。私はジェラールの手を握って話し出す。
「……ジェラール。私ね、お世話になってた先輩がいたの。その先輩…クリスマスが好きでさ」
ジェラールは一瞬眉をひそめたが直ぐに真剣な表情で私の話を聞こうとする。私はそんな彼を見ながら話を続けた。
「それでね、その先輩…、死ぬ前に私に魔法をかけてくれたんだ。『クリスマスの日に愛してる人に会える』っていう魔法。私その魔法を信じて待ってて、何年も一人ぼっちのクリスマスを過ごしてた」
私はいつの間にか零れていた涙を拭う。
「…やっと、シーナ先輩の魔法が叶ったの…。だから、今日くらいは…離れないで、私の傍にいて…?」
握っていたジェラールの手に力が入る。俯いた私の顔を優しく片手で包み込んでくれる。
「…そうだな。ごめんね。俺ばっか勝手な事言って」
泣いて少し赤くなった目を合わせながら微笑んでくる。そしてジェラールは私にそっとキスをした。
そのままベッドに押し倒されて何度もキスを繰り返す。
「…今晩は、どこにも行かないから……」
そう言われて私も頷き返した。
すると頬をゆっくりと撫でられながら首元にキスをされる。徐々に胸、お腹へとキスをしながらジェラールは微笑む。
「カナタ。…好きだよ」
「私も…好きだから。…だから、私から離れようとしないで」