第24章 ジェラール 「プレゼント」
……イブに何をさせられているんだろう。
少し止まったが考えるのはやめとこう。
何とかジェラールを出し終えてカーペットの上に寝かせる。寝室からブランケットを2枚ほど持ってきて優しくかけた。
ベッドには運べないからごめんね。
そう思いながら私はジェラールを起こさないように寝る準備を始めた。
お風呂から上がってくると今起きたのかちょこんと座ってこっちを見ているジェラールがいた。
ジェラールはゆっくり目を開き私の顔をじっくりと見つめた。そして、慌てて立ち上がって少し跳ねた髪を直す。
「あ、カナタ……!?何で…」
「ん?ジェラールがこっちに来たんだよ。ウルティアさんとメルさんが連れてきてくれたの」
そう言って微笑むとジェラールは髪型を崩しながら
溜息をついた。
「もっと…ちゃんとした格好で会いたかったんだが…」
「……私もこんなラフな格好だ…。ごめんね?」
ジェラールの言葉に自分の格好を見る。
寝る時は基本寝やすさ重視なのでただのスウェット
姿でジェラールの前に立ってしまっている。
するとジェラールは首を横に振った。
「ううん。…彩花は何でも似合ってるよ。…ただ、…俺もちょっとカッコつけたかったなって」
そう呟くジェラールに微笑む。
「いいんだよ。また会えただけで。……そうでしょ?」
するとジェラールは私の手を握りながら微笑む。
「……そうだな。なあ、彩花。お風呂入りたい」
ジェラールは私の手を強く握った。
私がジェラールの言葉に頷いて浴室まで案内すると、ジェラールは少し悪戯っぽく微笑む。
「一緒には入らないの?」
自分の顔が赤くなるのが分かった。ジェラールの誘いを無視して無理やり浴室の扉を閉める。
「もう入ったから…!」
「ふ、はは!…はいはい」
閉じた扉の奥からジェラールの笑い声と共に布が擦れる音がする。私は恥ずかしくなってその場を離れた。
「お風呂ありがとう。…っと…何それ。クリスマスケーキ?」
お風呂から上がってきて変えのローブを羽織った彼は机の上のものを微笑んで見つめる。
「そう、ケーキ食べる?ちょっとしか買ってきてないけど」
「食べる。初めてだな。こうやって行事とかにそってちゃんとケーキ食べるの」