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短編 フェアリーテイル

第23章 ゼレフ「約束」


早めにご飯を食べ終わって女子でお話会をしていると男性陣もご飯を食べ終えてこっちに来る。


「なんの話してるんだ?俺らも混ぜてくれよ!」


スコーピオンが中に入ってくる。
リラが頬をプクッと膨らました。


「女の子だけで話してるんです!」


「俺っちも契約者以外の人間と話してみたいし〜。明日で居なくなるんだろ?二度と会えねえかもしれねえんだぜ?」


アクエリアスの横に陣取ってそう言う彼。
女の子たち皆が一瞬黙り込んでしまった。


「…スコーピオンさん。そういう事は言わない方が良かったんじゃないのでしょうか」


サジタリウスが呟く。するとスコーピオンも申し訳なさそうに頭をかいた。


「…すまねえ。楽しんでたのにな」


「いやいや、大丈夫!まだ時間はあるでしょ?思い出作りに今度は皆で話そうよ」


肩を落とすスコーピオンを見て私は慌てて微笑む。すると他の男性陣も私たちの周りに腰をおろした。




皆で輪になりながら話しているとあっという間に時間が過ぎていくようだ。

沢山の事を話しながらお酒まで飲んだものだから寝てしまっている人たちが多くいる。

私はまだ起きている何人かに声をかけた。


「私、一足先に帰らせてもらうね。アクエリアスの顔とか見たら泣いちゃいそうだし。…じゃあね!」


バルゴやサジタリウスが手を振ってくれる。
星霊王を探そうと歩き出すとレオが私を見つけてこっちに歩いてきた。


「星霊王には俺からあらかじめ言っといた。多分あと少しでアンタは現世に帰る」


そう言われた途端本当に体が透け始めた。
私は自分の透けた手越しにレオを見る。


「じゃあね、レオ!楽しかったって言っといて!あ、あと『皆友達になってくれる?』って聞いといてほしい!」


もう上半身しかない体に感心しながらもレオにお礼と頼み事をする。するとレオは私に近寄ってきた。


「分かった。伝えておくから俺の頼みも聞いてくれ。…獅子宮の鍵を見つけろ。アンタの鍵になりたい」


真剣な顔でそう言われて私はつい頷く。
するとフッと笑ってレオは私を見つめた。



そして私の体は星霊界から消えた。



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