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短編 フェアリーテイル

第23章 ゼレフ「約束」


あれから1年近く経った頃。
ゼレフは他の研究も掛け持ちしているようで私達は週に1回一緒に研究することなっていた。

明日はその日だ。何の研究をしようかな。

最近はプルの世界がある事が分かって星霊達をまとめる王がいることも知った。
しかし私達の世界と繋がっている原理はまだ分からない。

最近のゼレフは切羽詰まったような表情をしていることが多いしプルと何かプレゼントしてあげよう。




ゼレフの元へ向かうと教授に出会う。教授は目を伏せて私の肩を叩いた。


「……今行かない方がいい。あの人はたった今退学を言い渡された」


神妙な面持ちでそう言われて意味が分からなくなった。しかしすぐにゼレフの元へ走り出す。


「アマリリス!待ちなさい!」


教授の言うことを聞かず扉を開ける。


「ゼレフ!……ゼレフ?」


机に肘を着いて下を向く彼。彼からはゾッとする程の魔力を感じた。

ゼレフはゆっくりとこっちを振り返る。


「…カナタ?…っ、来るな!」


焦るゼレフから黒い波が迫ってきて包まれる。私の体が熱くなった。何が何だか分からないまま私は意識を手放してしまった。




「プーン……」


「……コイツ死んでるんじゃないのかい?」


「シーッ。きっと寝てるのよ」


プルの声と他に2人の女性の声が聞こえる。
目を開けると青い髪の女性とハープを持った女性、私の上に乗るプルが。
この特徴って…確か本で見た。

「……もしかしてアクエリアスとリラ…?って事はここって星霊界!?」


辺りを見回してみる。宙に光る星が綺麗という事は確認できた。


「…私死んだんじゃ?」


「死んではいないよ。君の言う通り星霊界に来てしまっただけだ」


スーツを着たツンツン頭の男の人が私を見る。
獅子宮のレオ…!

感動していると皆が軽く自己紹介してくれた。
スコーピオンやアリエス、他にも初めて聞いたピスケスやジェミニなど色んな人たちがいる。

私は目を輝かせながら聞いた。


「…本当に星霊の世界なんだ?」


「ああ。…しかし何でこっちに飛んでこれたんだろうね。誰か呼んだかい?」


皆も首を傾げている。私は笑って皆を見る。


「何か分かんないけど…呼んでもらえてよかった。あと一瞬でも遅かったら死んじゃってたし」


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