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短編 フェアリーテイル

第22章 ミッドナイト 「家族になる為」


満足そうに笑う彼は私の首に顔を埋めた。
そこで深く息を吸われてくすぐったくなる。

手で口を塞いでいると


「……いい匂いするんだな、カナタは。ボクこの匂い好きだ」


と私の手を掴んで微笑んでくる。
胸が痛くなるくらいドキドキしてて私は目を瞑った。

するとマクベス様はまたキスをして私の服のボタンを軽く外していく。


「…え、待ってください。ほんとに待って!!」


「……何で。カナタと家族になりたいならこうしろってコブラの奴に言われたのに」


邪魔された事を不機嫌に思ったのか眉間に皺を寄せている。コブラ様は何て事を吹き込んでいるんだ。


「…マクベス様。これは両思いの方達がする行為であって、私達は……」


マクベス様の手を握ると彼も私の手を握り返す。そして聞いてきた。


「ボクはカナタのこと好きだけど。カナタはボクのこと好きじゃないんだ?」


「そうとは言ってません!…って、今私の事好きって言いました?」


「言った」


平然とする顔に私はつい深く溜息をつく。
お願いだからこれ以上ドキドキさせないでほしい。


「だから、カナタと家族になりたい」


「……痛いって聞いたから凄い怖いんですけど、大丈夫ですかね?」


ついそう聞くとマクベス様は目を大きく開いた。
そして私の手にキスをする。


「大丈夫。ボクは優しくする」


そう言って私の服を脱がせる彼。
私は目を瞑って身を任せた。


彼はとても綺麗な白い肌で薄く腹筋がある。
私は神々しすぎて見られないと目を瞑ったまま。


「…良いよ。その方が何か燃えるし」


そう言って私を優しく抱いてくれた彼。







目を覚ますと横にはまた眠っているマクベス様が。
私は少し起き上がって水を飲みにいった。


「はー…流されちゃったかな」


「……嫌だった?」


そしてまたいつものように後ろに立つ彼。


「マクベス様、怖がらせないでください」


笑いながら言うと


「マクベスで良いって言っただろ」


と私の肩に顎を置いてくるマクベス様だった。





-𝑒𝑛𝑑-------------
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