第21章 ローグ 「俺はダメか?」
私が怖がる?
考えているとローグさんが言う。
「付き合う前、お前を怒らせてから長く避けられていた事を思い出してしまった。また避けられるのは嫌だ。だからこのままでも良いと思っていた」
……あ、私のためだったんだ。昔の事がそんなにローグさんに気を使わせてた。
それなのに私は……
「ごめんなさい…!」
頭を深く下げて謝る。そんな私を見てローグさんは首を横に振った。
「いや、良い。……それよりカナタ。もう触れても良いと言うことだよな」
ローグさんが首を傾げて顔を覗き込んできた。
「え…、いやいや。急すぎる」
「スティングはお前が『恋人らしい事をされなくて悩んでる』と言っていると言っていただろ。それに俺は長い間待ったが」
少し私に寄ってくるローグさんを止める。
しかしローグさんはまだ近寄ってくる。
「いつも思っていた。スティングはお前の頭を撫でても何も言われないのに俺が近づくとお前は俺をさりげなく避ける」
私の手を握りながらそう言われて私は弁解した。
「違います。スティングさんは気にしてないからです。ローグさんにあんな事されたらドキドキして死んじゃいますよ」
「俺にはドキドキしてほしい。それに、こうやってたくさん触りたかった」
私の弁解も消えた。
頭を優しく撫でられ、頬を撫でられ、耳や首もゆっくりと撫でられる。
心臓がバクバクしていてうるさすぎる。
顔を直視出来なくて目を背けると、
「……何故俺の目を見てくれないんだ」
と顔を掴まれた。
なんか変なスイッチ入ってしまったのだろうか。
いつもと違う気がする。
「いや、だから。ドキドキしちゃうからっ…」
「良い。その顔がみたい」
私を椅子から抱き上げてどこかへ運ぶ。
そしてついた先は寝室だった。
「いや、ほんとに待って…?」
私はローグさんの首にしがみついたままお願いすると軽くキスをされた。
…ヤバい!ほんとに恥ずかしくて死んじゃう。
「俺はもう待てない。……許してくれ」
そう言ってローグさんは私をベッドに下ろした。