第21章 ローグ 「俺はダメか?」
外に出た私達は近くの公園に行く。
最中ローグさんは無言で私の手をひいていてスティングさんは何故か満足そうに微笑んでいた。
ベンチに座らされて横にローグさんが座る。
もう片方にスティングさんが座った。
「スティング。お前『大事な用事があるから。』とか言って俺に買い物を頼んだよな」
「大事な用事だぞ?カナタと出かけるの」
笑いながら言うスティングさんを見て私の手を握るローグさんの手の力が強くなった気がする。
そして軽く息を吐いてから言った。
「お前は彼女がいるだろう。何がしたい」
「何って…、だから単に2人で買い物したかったんだよ。な?カナタ。楽しめたろ?」
だんだんヤバい雰囲気になりつつある。慌ててスティングさんの顔を見るとシーッと人差し指を口元に添えた笑顔で見てくる。
「まあ、カナタも悩んでるしな。ローグが何時まで経っても恋人らしいことしてくれねえから」
それを聞いたローグさんは息を飲んでから長い溜息をついて顔を両手で覆った。
その様子を見てスティングさんは満足そうにベンチから立ち上がった。
「じゃあ俺、この後用事あるし行くわ」
「え、待って」
スティングさんの手をひこうとするとローグさんに止められる。
「カナタ。悪い」
「え、何が…?それに私の方がごめんなさいですよ…」
「一瞬でもスティングに乗り換えたのかと思ってしまった俺がいた。…こんなところではなんだし俺の家に行かないか?」
何かを悟ったように言うローグさんに首を傾げる。ローグさんは立ち上がって私の手を握った。
そういえば手を繋ぐのも久しぶりだな。
そう思いながらローグさんの家に向かった。
家に入って椅子に座らされる。
私は無言のままのローグさんに緊張している。
しばらく無言でいるとあっちから謝られた。
「……すまない。この前はそういう事を話していたんだな。気づけなかった」
目を見つめられながらそう言われてだんだん物凄く恥ずかしくなる。しかしローグさんは私に言った。
「俺は、お前を怖がらせたくなかった」