第21章 ローグ 「俺はダメか?」
「それはな…」
「……ほんとにこれで良いんですかね?」
ローグさん嫉妬作戦が決行される。
その作戦を実行するために休日、スティングさんと買い物に行く。
隣を歩きながらスティングさんは笑った。
「良いんだよ。お前は心配しないで俺と楽しそうにしてればそれで」
「んー…、ほんとですか?」
「ほんとほんと。今日俺そのためにいろいろ手回したんだからね」
伸びをするスティングさんとは裏腹に私は少し落ち込んでいた。
……これ浮気とかならないよね?
そんな私を見てスティングさんはフッと笑いながら私の頭を撫でる。
「ローグはカナタの事が大好きだから大丈夫だって。俺も彼女いるから揉められると困るわ」
笑いながら話しているがスティングさんに彼女がいた事を聞いたことがなかった私は驚く。
「え、彼女いたんですか?」
「おー、知らない?まあまあ、茶でも飲も」
嬉しそうに微笑んでから近くのカフェを指さされ、私たちはそこに入った。
紅茶とケーキを頼んで2人で惚気ける。
「俺の彼女ね、凄い強ぇの。知らない?」
「何となく検討ついてますよ。絶対あの人」
「分かるだろ?そんでもって凄い可愛いの。てか、綺麗。何しても綺麗なんだよ」
熱く語るスティングさんについ笑ってしまった。
スティングさんは私を見て笑う。
「それより、ローグはどうだ?」
「ローグさんですか?優しいですし、たまには2人で話したりもしますよ」
私がケーキを食べながらそう言うとスティングさんは笑顔のまま相槌をうっている。
そして無言の私を見てそのまま固まった。
「え、それだけ?」
「何ですか、それだけって」
「いやいや、もっとこう…。いや、良いわ」
下を向いていた彼がテラスを少し見て笑った。
そしてスティングさんは私の手を握る。
「え…?何するんですか」
払おうとすると後ろから誰かに肩を叩かれる。
スティングさんは私の後ろを見て笑った。
振り返るとローグさんが立っている。
「……出るぞ。説明しろ」