第20章 スティング 「早く俺のモンに」
姿見を見ると本当に服装で人って変わるらしい 。
髪を結ったりメイクをしている訳でもないのに煌びやかに見える。
何だか照れくさくなって赤くなってしまうとユキノは私の目を見て笑った。
「綺麗ですね!そういえば結婚式はお一人で行かれるのですか?」
そう聞かれて私は首を傾げる。御手洗から出るとユキノは話を続けた。
「カナタ様は1度村を出たと聞いていますし、そんな事は無いと思いますけれど嫌がらせを受けたりしませんか?」
そう言われて私は初めてその可能性に気づく。
確かに故郷の村は村民の輪が広い村だったからそんなことになったりするのか…?
悩んでいるとユキノが私の手を握る。
「スティング様に着いてきてもらえば良いじゃないですか。あの方なら何をされても守ってくれますし、何よりカナタ様からのお願いなら断りません」
ニッコリ笑ったユキノに私も笑ってしまう。
ユキノは私よりも長くスティング君達と一緒に居たから扱い方も大分慣れているんだな。
スティング君に今日の夜家に来てもらって聞いてみることにしようかな。
「ちょっと相談してみるね。ありがとう!」
私はユキノにお礼を言ってからドレスを脱いだ。
家に帰ってお風呂に入り終わった頃家のインターフォンが鳴った。
「今開けるね〜」
と髪をタオルで拭きながらドアを開ける。
スティング君は私の姿を見て微笑んだ。
「カナタさーん…。俺も一応男っすよ?そんな格好で出てこないでください」
そう言いながら中に入る彼。
私はお茶を入れにキッチンに向かった。
お茶を出して横に座る。
彼は眠たそうにウトウトしていた。
「…ごめんね。疲れてた?」
「あ、いや!全然疲れてねえから!」
私が首を傾げるとハッと目を開けて首をブンブン横に振っている。
…これはどう考えても眠たいな。
「……今日泊まってく?」
「え、良いの!?」
目をキラキラ輝かせている彼に私は笑う。
「良いよ。先お風呂入っておいで」
「…うす。行ってきます」
彼がお風呂に入っている間に卵でも焼いておく。卵焼きを作って肉を適当に焼く。
するとスティング君があがってくる。
「服ない〜!どうしたらいい?」