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短編 フェアリーテイル

第19章 ミストガン 「君ならいつも」


余程お腹が空いていたのか貰ってすぐ食べている。
私はもうちょっと何か作ってやろうと思って鞄からまた鹿肉を取り出した。

ナツがいち早く気づいて見てくる。

私はその視線を受けながら鹿肉に仕込みに入る。そして聞きたいことを聞くことにした。


「皆さ、ローブ被って青髪で右の顔に紋章が入ってる人知らない?」


皆一斉に手が止まった。

エルザが私を見つめる。


「…お前、ジェラールを知っているのか」


「そう!ジェラール!!…知ってるけど、エルザ達も知ってるの?」


「「今どこに」」


私とエルザの声が重なる。
私たちは見つめあった。

そしてお互いの過去の話を軽くすることになった。


「それ、なんかジェラールの奴2人いるみたいになってんじゃねえか」


グレイが焼きあがった鹿肉を齧りながら言う。

確かに、どこか矛盾がある。
でも、確実に同一人物だ。

ナツやハッピーは先に肉をたらふく食ってお腹いっぱいになって眠ってしまったみたいだった。


「ねえ、エルザ。ジェラールの事好き?」


私も肉を食べながら聞く。
するとエルザは顔を真っ赤にした。

私はそれを見て微笑んでしまう。


「...私もね、好きなんだ。どういう好きかはまだわかんないんだけど、特別な人なのは確かなの」


「...そうか」


グレイは私達の顔を見ながら焦っている。
しかしエルザも微笑んだ。


「......そうか」



朝になる。

私は毒で1匹の蝶を虜にして道案内をしてもらい、皆を森の奥から連れ出した。

蝶の毒を解毒してやる。


「...カナタもフェアリーテイルへ1度来てみないか?少しの寄り道くらいはしてもいいだろう」


エルザから誘われて私は悩む。そして頷いた。


「わかった。エルザが言ってたジュビアにも会ってみたいし。ルーシィにも会いたいな。強い人達にも会いに行く!!ちょっと手合わせしてもらおうかな」


そう笑うとみんなも笑った。



フェアリーテイルに着く。
初めてこんなに大きいギルドを見たから興奮が収まりきらない。

中に入るといろんな人達が目に入った。


「可愛い!かっこいい!凄い!!」


語彙が無くなった私をナツがケラケラバカにして笑っているナツを殴ったエルザは私に言った。


「依頼の件で少し話してくるから好きにしておいてくれ」



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