第18章 コブラ 「次の約束」
「…俺さ〜、カナタがアイツらに『寂しいけど』って言った時凄いドキドキした」
といたずらっ子のように微笑んでいる。
私が少し恥ずかしくなって下を向くと彼は私の顔を両手で包んで上を向かせる。
「寂しい?カナタ」
優しく聞いてくるエリック君に私はこくっと頷く。すると私の唇にキスを落とす彼。
そしてまた聞いてくる。
「俺は心で繋がってると思ってたんだけどな…。そうはいかないよな。カナタは何で寂しかったんだ?」
私は目を少し逸らす。そして小さく呟いた。
「それはもちろんそうだけど…、やっぱり遠くにいる訳だし…エリック君の安否とかも分かんないじゃん?…それに…」
言おうとしてやめる。するとエリック君は私の唇の横にキスを落とした。
「…うん。俺の事心配してくれてるんだ。ありがとう。…それで、他にもあるんじゃない?」
私が黙りこんでしまうと彼は頭を撫でてくる。
「…教えて?」
それでも首を横にふる私に彼は少し止まる。
そして口を開いた。
「俺には言えない事か?」
「違うよ!」
「じゃあ何?」
咄嗟に否定した私をニヤッと見つめるコブラ君。
私は更に小さく呟く。
「エリック君が、私の事好きじゃなくなったらって…思っちゃって…。二度と帰ってこなかったらどうしようとか、あっちで女の人買ってたらとか…」
嫌われるかもしれないけど…。
いくら小さくても聞こえる彼は目を開いた。
私が謝ろうと口を開いた瞬間、彼の目がさっきより少し大きく開いて深くキスをされる。
「んっ…」
「…っ、ごめんなカナタ。そんな事で不安にさせてたんだな。…俺はお前だけしか好きじゃないから」
いつの間にか私の目から零れる涙を彼は指で拭う。
私は彼に抱きついた。彼も抱きしめ返しながらまたキスをしてくれる。
「あのな、カナタ。俺が今からお前にする事、俺にもしてくれる?」
私を抱き上げてベッドに2人で乗る。