第18章 コブラ 「次の約束」
「いやいや、とんでもないです!むしろ可愛い人たちに引っつけて幸せと言いますか…!」
と首を横に振ると男の人は笑う。
そして私の目を見て言った。
「いつもコブラを連れ回してごめんね。でも彼がいることで俺達も助けられているから…」
また頭を下げられて私もつい頭を下げる。
「いや、本当コブラ君も望んでる事だから大丈夫です。…ちょっと寂しいですけど」
多少は正直に言おうと目を伏せながら小さい声でそう言うと皆の声がフッと消える。
…え、嫌味だと思われた?
ヤバイと思って皆の顔を見るとエンジェル様やあの可愛い人たちはうるうるとこっちを見ている。
男の人たちは目を抑えながら
「早く連れて行け。コブラ」
と手で促した。
待って!?私何した?
笑いながら私の手をひいて皆から離れるエリック君に聞く。
「何?私何か悪いこと言っちゃった?」
するとエリック君は笑う。
「そうじゃない。お前が可愛すぎて皆悶えてるだけだ。気にすんな」
…へ?
ポッと顔が熱くなる。
後ろを振り返ると皆私たちに手を振っていた。
「……どゆこと」
家に着いて私たちはソファに座る。
紅茶を入れてきてエリック君にも差し出す。
それから夜になるまで2人で映画とかを見たりしてゆったりと過ごした。
夜更けになって私達は1人ずつお風呂に入った。
エリック君が私の髪の毛を優しく手で梳きながら乾かしてくれる。
「…カナタの髪ってサラサラだな」
と笑って言われる。私は自慢げに答えた。
「そうでしょ?ちゃんと手入れしてるんだ〜」
そう言うと彼はドライヤーのスイッチを切った。
そして私の横に座って聞いてくる。
「…それって俺のため?」
「……分かってるくせに」
フッと顔を綻ばせて私の髪を触る彼。そして髪の毛の後ろに手が回る。
引き寄せられてキスをした。
「…だいぶ緊張しなくなったんだな」
少し離れて笑われる。
そして強く抱きしめられた。