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短編 フェアリーテイル

第18章 コブラ 「次の約束」


「ただいま」


誰も居ない家に帰ってくる。
今日は少し街の中心部で服を見ていた。

エリック君がまた出ていってから2ヶ月経つ。

エリック君は定期的に帰ってきてはくれるんだけど1週間くらいでまたどこかへ行ってしまう。

そんな寂しさを紛らわせようと溜息をつきながらリビングに入った。


「おー、おかえり」


誰も居ないはずの家から声がする。顔を上げるとエリック君がジュースを飲みながらこっちを見ている。

え、帰ってきてたの…?


「おう。近くに来たからな。抜けてきた」


私を見て笑う彼に私は頬を膨らます。
色々言いたい事はあったけどとりあえず買ってきた荷物を置いて抱きついた。

エリック君は笑いながら抱きしめてくれる。


「帰るなら早めに教えてって言ってるじゃん…。いつまた居なくなるのか分かんないのに」


そう言って上を向いてエリック君の頬をつねる。
するとエリック君は笑った。


「悪い。でもいつも急なんだよ。ごめんな?」


私の頭を撫でながら謝る彼。私は聞く。


「今回はどれくらいここに居るの?」


「……3日くらいだと思う」


エリック君は気まずそうに目をそらす。

いつにも増して短い。
なら尚更言ってほしかった。

分かってたら買い物なんて行かなかったのに。


「な?…何か食いに行くか」


私の肩に手を置いて彼は歩き出す。
そして私たちはまた街の中央部に行った。



中央部に行ってご飯を食べる。
食べ終わって店を出ると見覚えがある顔が。


「…あれ?エンジェル様?」


エンジェル様はこっちを振り返って走ってくる。他にもレーサー様とか見知らぬ人達も居た。


「カナタ!久しぶりだな!会いたかったゾー!!」


私にダイブして抱きついてくるエンジェル様。
彼女の後ろから可愛い人が歩いてくる。


「貴方がコブラの彼女?えー、可愛い!!」


彼女もまた私に抱きついてきて頬ずりする。
凄い両手に花の状態に戸惑っていると青髪の人が私から2人を引き離した。


「…こら、二人の時間を邪魔しちゃダメだろう。ごめんね。カナタさん」


そう言って軽く頭を下げられる。


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