第17章 ロキ 「僕のって印」
「久しぶり、リンくん」
「久しぶりです。カナタさん。ロキさん」
リンくんは私が久しぶりにここに来た時に絡んできた男の子だ。ロキさんとも前から関わりがあるらしい。
「元気にしてた?相変わらず治安悪いね〜」
彼の家に入ったロキさんは笑いながら言う。
リンくんは私にも家に入るように促した。
お邪魔させてもらうと中には何人もの子がいる。
「あ、カナタ姉ちゃんだ!遊ぼ〜!!」
「お姉ちゃんは私達とこっちで一緒に遊ぶー!」
私を見た瞬間かけつけてくる子供たち。
皆まだ小さいのに刺青が入っていたりピアスがあいていたりする。
でも彼らはまだ純粋な子のままだ。
「はいはい。皆で遊ぼうよ〜」
私は両方から引っ張られながら笑う。
「カナタは人気者だなぁ」
机に肘をつきながら微笑むロキさん。
リンくんが謝ってくる。
「すいません、マジで…。おい、お姉さんに迷惑かけんな?」
「リンうるさーい!」
リンくんが少し凄むと走って逃げていく子供達。
私はリンくんの頭を撫でた。
「ううん。それよりこうやって子供達集めてくれてるのに感謝だよ」
リンくんは自分の家に身寄りがない子供たちを集めて世話をしてくれている良い子だ。
彼もまだ未成年ではある者のここでは物凄くしっかりしている人だと思う。
「いや、ロキさんがコイツらの分の食事代とか持ってきてくれるからですよ。それに俺もそこまで悪くないと思ってますし」
はにかんで笑う彼に私も微笑む。
すると後ろからおーい、と声が聞こえてくる。
「彼氏の僕置いて2人でイチャイチャしないでよ〜。僕寂しいな?」
すいません、と笑うリンくんに私は言う。
「いや、いつものおふざけだよ。慣れよう」
「酷いな!?」
そんなふうに毎回少し3人で話してから私たちは子供たちと遊ぶことが日課になっている。