• テキストサイズ

短編 フェアリーテイル

第15章 ガジル 「決心」


彼はへらへら笑う私の目を見てから私を抱き上げて彼のあぐらの上に座らせる。

そして抱きしめられながらキスをされた。


「…お前は本当にお人好しだ」


「そうかな?」


頭の後ろに手を回されてまた深くキスをされる。なんだかいつもの目とは違くて私は少しガジルの胸を押す。


「…あの、ガジルさん。ここギルドですけど」


「知らん」


彼は私の首筋にキスをしてからギヒッと笑う。
私を樽の上にゆっくりと乗せる。
そして服をめくっておへそにもキスをしてきた。


「ちょ、ほんとに言ってる…!?」


「ああ、ほんとに言ってる」


その日のギルドは珍しく一日中電気がついていた部屋があったらしい。




「ガジル、ほんとにバカだよね?」


「あ?…何がだよ」


服を着るガジルに私は口を突き出す。


「ここで初めてとか信じらんない」


「あんな声出してたのに文句言うな」


言い終わる前に頭を殴る。


すると扉がノックされた。
半裸の状態でガジルが外に出る。


「な、な、何しとんじゃお前さん!」


お爺さんの怒鳴り声で朝を迎える。




「たく…お前さんは悪くないからのぉ〜…」


マスターさんは私の頭を撫でながら言う。


「爺さん、俺とコイツで言ってること全然違うじゃねえかよ」


「カナタさんは悪ぅないもんなぁ」


甘々なマスターさんはガジルを無視してただただ頭を撫でてくる。クスッと笑ってしまった。

すると昨日の赤毛の女性が近づいてくる。


「マスター、評議員から呼び出しが来てます」


マスターさんはその紙を受け取ってから口をあんぐりと開けた。


「ガジル…!正規ギルドを潰した…!?」


「ああ、コイツが連れ去られたからな」


怒るに怒れないマスターさんは泣き出してしまった。




-𝑒𝑛𝑑---------
/ 197ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp