第13章 ラクサス 「お前だけ」
「……そう言うラクサスも私の事好きだよね。お揃いとか可愛いことしちゃって」
「うるせえ。殺すぞ」
言葉はキツイけど顔は穏やかだ。
そんなラクサスを見つめながら言った。
「ねえ、ラクサス。私のお願い聞いてくれる?」
「あ?何だ?」
私は少し間を置いてから下を向いてお願いする。
「私の初めて貰ってくれない?」
ラクサスが息を飲む音が小さく聞こえた。
カッと顔が熱くなって信じられないくらい汗も出てくる。
ラクサスは何の反応もない。
急にこんな事言うとかバカだった…?
「…ごめ」
「チッ。…馬鹿が」
ほんとにバカって思われてた!!
恥ずかしくて逃げようとすると急に体が浮く。
「…優しくしてやる」
お姫様抱っこをされながらベッドに運ばれる。
そこからはパニックになりすぎて記憶が無いんだけど、とにかく優しくしてくれていた事は覚えている。
怖がっていたら声をかけてくれて、痛がっていたらキスをしてくれて、嬉しくて泣いてしまった時は私の名前を呼んで抱きしめてくれた。
誕生日がもうすぐ終わる。
最高な誕生日だったな。
ラクサスに抱きしめられながらそんな事を思う。
顔を見るとラクサスも私を見ていて少し首を傾げた後フッと笑った。
「誕生日おめでとう。カナタ」
「ありがとう」
「…また次もこうして過ごすからな」
悪い顔で微笑みながら私にキスをした。
「カナタ〜!可愛いの付けてんじゃん!」
ギルドに行くとカナが肩を組んでくる。
そして先にギルドに来ていたラクサスを指さす。
すると新しいヘッドフォンをつけたラクサスの方に集ってたナツやグレイもこっちを振り返る。
「あっちー奴らだな!」
ナツが楽しそうにこっちに走ってくる。
ラクサスがそれを止めてこっちに歩いてきた。
「…クエスト行くぞ」
-𝑒𝑛𝑑--------