第13章 無敵の甘いモノ、頂戴? / 徳川家康
「政宗さんとは却下。俺が一緒に行く」
「え、でも……」
「わらび餅は好きだし、甘いものは苦手だけど食べられない訳じゃない」
「……無理してない?」
「してない、政宗さんの手を煩わせることもないでしょ」
『一緒に行かせたくない』という本音を隠して結衣に伝えれば、結衣は少し笑顔になって頷いた。
「そうだね、私も本当は家康と行きたかったから嬉しい。ありがとう、家康」
「っ……別に」
(ほんとにこの子は…馬鹿みたいに可愛い)
この素直さ、見習いたいと本気で思う。
恋仲になって一緒に居れば、少しは俺も素直になるかと思いきや…俺の天邪鬼は筋金入りだったようだ。
だが、ひねくれた答えを返しても、結衣は解ってくれる。
そして、欲しい答えや俺の想像を上回る反応をくれるから……色んな意味で敵わないのだ。
だから、欲しくなる。
身も心も、何度も何度何度も。
飽きることなく沸き上がるその感情は、見る間に膨れ上がって俺を支配するから。
止まらなくなって……今夜も、また。
「あ……」
俺が軽く結衣の肩を押して褥に倒すと、結衣は俺を見上げながら目を輝かせた。
あーいい顔、堪らなく愛しい。
俺は当然の如く結衣に覆いかぶさり……
結衣の唇を指でつーっとなぞった。
「いえや……っ」
「しー、黙って。こうされた時はどうするの」
「っ……目を、瞑る」
「ん、正解。……可愛がっても、いいよね」
「勿論、だよ」
そう言って、目を瞑る結衣。
肌が赤くなり始め、期待しているのが解ると、血が逆流したみたいに頭が沸き立った。
可愛い、本当に……可愛すぎて参る。
自制の心なんてどこへやら、こんな可愛い姿を見たら抑えなんて効かないのだけれど。
疼く、心と体が。
ぞくぞくとした情欲に冒されて、今日も満足したいと手を伸ばした。
────愛しいあんたに、全て伝えたい
そうして、今宵も熱帯になる。
空気も吐息も、肌も声も、甘く蕩けていく。
熱くて、溶けそうなくらいに愛して……
酷い渇望を潤すかのように、その素肌に唇を這わせたのだった。
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