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【イケメン戦国】花紅柳緑𑁍𓏸𓈒

第11章 蒼色マリアージュ《疑惑編》 / 伊達政宗




(町娘って誰だろう、なんでそんな噂が……)


政宗と顔を合わせていない間に何かあったのか。
元々政宗は、あの性格から女性に関する噂は絶えなかったと秀吉さんから聞いている。

でもそれが無くなったのは私が居るからだと。
それを聞いて、ホッとしたものだった。
でも……それがまた噂されるようになったなんて、政宗自身に何かあったとしか思えない。

……なんかモヤモヤするなぁ。
もうすぐ青葉城に行くのに。


「結衣さん、大丈夫?」
「え、は、はい……」
「ため息ばかりついてるから」
「あはは……ちょっと色々ありまして」


心配そうに若旦那さんが顔を覗き込んできたので、私は困ったように笑みを浮かべた。
この人にも返事をしなければいけない。
私は政宗以外は考えられないし、きっとこの人は……昔の奥さんと私を重ねてるから。


「あの、若旦那さん」
「はい」
「この前のお返事ですけど……」
「……あれ?」


私が話を切り出すと、何故か若旦那さんは明後日の方に視線を向けて、首を傾げた。


「どうしました?」
「あれ、政宗様ではないかな」
「え?」


言われて私もそちらを向く。
すると……
そこには確かに政宗がいて。
その政宗の手を引いてる、知らない女の人。


(政宗……?)


何やら二人は楽しそうに会話をし、仲睦まじい雰囲気で。
そして、私達に気づかないまま、ある建物の中に消えていった。
そこは、






​────現代で言う『ラブホ』のような場所






「……っ!!」


私は思わず目を瞠った。
あの背が高く、隻眼の人は間違いなく政宗だった。
そして、手を引いていたのは綺麗な女の人。
以前、政宗に言われたことがある。

『あの茶屋は一見普通の茶屋だが、奥はいかがわしい行為をする部屋になってる茶屋だ。お前、間違っても近づくなよ?』

政宗が今女の人と入っていったのは、まさにそこだ。
なんで、なんで政宗がそんな場所に行くの?
しかも、私の知らない女の人と……
それはつまり、政宗はあの女の人と、中で。






(そんなの、絶対にだめっ…………!!)








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