第11章 蒼色マリアージュ《疑惑編》 / 伊達政宗
「結衣さん?」
「……っ!!」
「結衣さん?!待っ……!」
私は若旦那さんを放ったらかしにして走り出した。
目指すは、あの茶屋。
政宗と女の人が入っていった……いかがわしい場所。
いつも嫉妬するのは私だった。
政宗は余裕で、私を振り回して。
でもいつでも私を愛してくれていた。
ようやく正式に結ばれるのに……
嫌だ、
嫌だよ、こんなの、
政宗は、私のものだよっ……!
私と政宗の間に起きた、一陣の乱。
種を撒いたのは私なのか、
水を差したのは政宗なのか、
きっかけは解らない。
それでも、拗れに拗れて、
私達は婚姻前の試練とも言うべき
一悶着を起こした。
蒼色のマリアージュばかりに
憧れてはいられない。
今まさに『真の愛』が試されてる。
政宗は私を愛してくれていた。
私も────…………
貴方しか駄目なのだと、
もう一度伝えたい。
蒼色マリアージュ《疑惑編》
了
蒼色マリアージュ《蜜愛編》に
続く────…………