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【イケメン戦国】花紅柳緑𑁍𓏸𓈒

第10章 初愛の君に終焉の愛を誓う / 豊臣秀吉




「大丈夫か、政宗に何もされてないか?」
「だ、大丈夫だよ」
「変な所を触られたりとかもないか?」
「うん、秀吉さん…どうしてここに?」


私が秀吉さんに問いかけると、秀吉さんは少しだけバツの悪そうな表情になる。
そして、何かを白状するみたいに、小さな声で答えた。


「その…今朝のお前が少し落ち込んで見えたから、気になっちまって追いかけたんだ」
「そうなの……?」
「秀吉さん、結衣から聞きましたよ。今朝の話」


家康が私達を見て、淡々と言葉を紡ぐ。
『今朝の話』とは『髪を結っていた時にしていた話』と秀吉さんはすぐに気づいたらしく……
少し不思議がりながらも『それがどうかしたのか?』と家康に聞き返した。


「ハッキリ言いますけど、言葉足らないですよね、あんた」
「……そうなのか?」
「だから結衣に伝わってなくて、暗い顔してたんでしょ。もっと解るように言ってやらなきゃだめだと思いますけど」
「そうだな、"ずっと傍にいる"がどういう意味なのか説明してやれ、秀吉」


政宗も家康の肩に肘を掛けながら、賛同するように言葉をかける。
二人の言ってる意味がイマイチ解らないのだけど……
政宗と家康は私の説明で、秀吉さんが本当は何を言いたかったのかを理解したのかもしれない。

(……私、頭悪いと言うか理解力不足なのかな、トホホ)

同じ男の人だから、理解も早いのかもしれないけど。
でも、秀吉さん自身も二人の言葉に少しため息をついて頷いた。


「そうだな、俺の説明不足だ」
「秀吉さん……?」
「結衣、これから外せない公務があるから…今夜お前の部屋に行っていいか」
「う、うん、解った」
「じゃあ、今は部屋まで送るな」


秀吉さんは優しく笑って、二人がいるのに私の額に軽く口づけを落とす。
そして、私の手を握るとそのまま手を引いて歩き出した。
秀吉さんはお城に着くまで終始無言で……
でも握られた手は大きく温かく、とてもほっとしたんだ。
でも​───………

(ずっと傍にいるって言葉通りの意味じゃないの?)

秀吉さんは私に何を言いたかったのかな。
政宗や家康にはすぐ分かった事。
秀吉さんはやっぱり私より恋愛スキルが高すぎて……

私はまだまだ子どもなのかな、とか。
帰ってからも色々な考えが頭の中を渦巻いていた。




***




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