第9章 𑁍想いを絡めて囚われて / 政宗、秀吉
「あっ、ぁあっ…んっぁあ……っ!」
「結衣……ほら、気持ち良ーく果てちまえ」
「らめ、ぁっあ……ほんと、も……!」
「……可愛いな、愛してる」
「っ……あ、」
(──────私も、きっと貴方の事が)
「……っぁあぁぁぁぁーー……っっ」
結衣が果てたのと意識を手放したのは同時だった。
二三回に分けて潮を吹き、中にある秀吉の指を締め上げながら、結衣は陥落した。
ガチャッ……
その瞬間、鍵が開いた音がして天井に隙間が開く。
差し込む光は淡い、夜だからきっと行灯が何かの明かりなのだろう。
それを見て、二人は顔を見合わせた。
「……開いたな」
「本当にどういう仕組みなんだ……」
「まあ、これを作った主にしてみれば、一応"合格"って事なんだろ」
「そうだな、じゃ…出るか」
ひとまず秀吉が上半身を起こし、天井を完全に開く。
そうして外を見渡せば、そこは廊下だった。
多分安土城の……結衣の自室へ繋がっている所。
自分が落ちたのは御殿内だったんだけどな、と思いながらも秀吉はゆっくりと外に出て、まだ下にいる二人に手を伸ばした。
「先に結衣をこっちに」
「なんだよ、抜け駆けか、秀吉」
「違う、結衣を渡さないとお前が出られないだろうが」
「ほんと真面目な奴だな、お前」
政宗はやれやれといったように苦笑いを浮かべると、乱れた結衣の寝間着を簡単に直してやる。
そして、軽々と抱き上げて秀吉へと手渡した。
その後、政宗も軽い動きで廊下に上がったものの……
秀吉はそれを待たずに結衣を運んでしまう。
早足でそれを追いかけた政宗は、秀吉の肩を掴んでギロリと睨んだ。
「やっぱり抜け駆けじゃねえか、てめぇ」
「結衣を早く運んでやらなきゃ可哀想だろ」
「とか言って、起きたら続きをするんだろうが!」