第9章 𑁍想いを絡めて囚われて / 政宗、秀吉
「やっ…ん、らめぇ、なかぁぁ……!」
「すごい好さそうだぞ、結衣」
「なんだよ、こっちは好くないのかよ」
「……っぁ、あっ…ぐりぐりしないで……!」
負けじと政宗も結衣を攻める。
濡れた指で円を描くように花芯を弄り、時折弾いたりして可愛がれば、結衣はさらに淫らに華咲く。
半開きの唇からは絶え間なく嬌声を響かせ、肌を真っ赤に染めて、素直なまでに蜜を零して……
こんな風に乱れる結衣を見ていれば、高ぶらない方がおかしい。
現に、もうその欲望の中心は硬くなっている。
だが挿入出来るほど、この場所は広くないのが欠点だ。
カリ首が頭をもたげ、秀吉も政宗も布が膨らみ始めているから、もう『決着』をつけたい。
「なあ…結衣。俺の事、好きか?好きって言えよ、もっと気持ちいい事してやるから」
政宗が結衣の耳元に唇を寄せ、これでもかと言う程甘い声を注いだ。
右手で蕾を愛撫し、左手で片胸を揉みしだく。
それでいて唇が耳たぶに触れそうなくらいの近い場所で囁かれてしまえば……
結衣が陥落するのは無理はない。
『もっと気持ちいい事』に直結する行為は、今の結衣が一番望んでいる事なのだから。
「ん、すき、政宗すきぃ……」
「よし」
「先駆けは許さねえぞ、政宗」
今度は秀吉が政宗とは反対の耳に唇を近づけ、ちゅうっと結衣の耳たぶを食んだ。
まるでいやらしい行為を助長するかのような水音が耳の奥に注がれ、結衣はもう果てそうに躰を小刻みに震わせる。
「結衣…俺の事も好きだろ?兄貴じゃなく男として、もっと甘やかしてやるから。な?」
「すき、秀吉さんも、大好き……」
「うん、いい子だな」
「だから、もっと、してぇ……!」
『想い人と交わらなければ出られない部屋。
体と心、どちらの解釈でも良しとする』
─────結衣が目覚める前の話。
天井にそうくっきり文字が浮かんでいたのを、秀吉と政宗は見ていた。
結衣の下敷きになっている政宗。
結衣に覆い被さっている秀吉。
『交わる』のは『躰』か『心』か。
二人の考えたことは一緒だった。
『─────どちらも交わりたい』と。