第9章 𑁍想いを絡めて囚われて / 政宗、秀吉
「っ……結衣、じっとしてなさい!」
「秀吉さん、ごめっ……!」
「拷問を味わってんのか、秀吉?」
「うるさい、原因を作ったお前が言うな」
「拷問……」
「結衣、深く考えなくていい。お前はいい子に大人しくしててくれれば。な?」
二人の言う『拷問』を結衣は理解していないらしい。
確かに寝間着一枚で四つん這いになっている女に覆い被さっている訳だから、それは閨事を彷彿させると言っても過言ではない。
そして場所は狭く、腰はぴったり結衣の尻に密着して後ろに引けない事から……
そこを擦られれば、どうなるかは想像に容易い。
だが、政宗はそれを面白がって不敵に笑む。
それはどこか色気を帯び、男の顔つきになっていた。
「どうせこっちからは出られねえんだ。なら、時に身を任せるしかない。せっかくならこの状況を楽しまなきゃ損だろ」
「お前、どこからそんな発想が……」
「そのうち出られるだろ、多分。秀吉、その気がないなら指咥えて見てな」
政宗は手の動きを再開させる。
足は動かせないが手は割と自由が効くことから、政宗は結衣の脚を撫でながら、細い首筋辺りにも手を這わせた。
そのまま寝間着の襟首の所から手を侵入させ……片方の肩だけ薄い着物を撫で下ろしてしまった。
「や……っ政宗、何やって……!」
「俺はお前を気に入ってる、可愛いと思うものには躊躇わず触れるのが俺の生き方だ。やっぱり…肌、綺麗だな」
晒された素肌は、それこそ絹地のようだ。
艶があって滑らかで、それでいて白くみずみずしい。
政宗は白磁の肌を、愛おしむように触れる。
片肩だけ寝間着がはだけてしまったことで、当然胸も片方だけこぼれ落ちてしまい……
政宗がその胸の先に指で触れると、結衣は儚く声を漏らして肌を震わせた。
「……っぁ、あっ……!」
「可愛いな、お前……堪らねえ」
「政宗、いい加減にしろ!」
「自分を偽ってコイツを傍に置いてる奴は黙ってな」
政宗の鋭い一言に、秀吉を纏う空気感が変わった。
目を若干細め、どこか不機嫌そうな秀吉は結衣の剥き出しにされた左肩をするりと指でなぞる。
ごくんと、秀吉の喉が一回鳴った。
「結衣、辛抱がなくてごめんな」
「え……、んうっ」