第1章 零太くん、一生のお願い!
「開発に成功するまでが『開発』なんだよぉ!」
私は叫んだ。心からの叫びだ。聞く人が聞けば、私の叫びに涙を流す事だろう。それだけ私は、この発言に気持ちを込めていた。
「そんな『帰るまでが遠足』みたいに言われましてもねぇ!」
──結論から言うと、開発は成功しなかった。
前立腺を刺激されてよがる零太くんは見れなかったのだ。
しかし、収穫はあった。異物が入っている、という感覚には慣れてもらう事が出来たのである。
ここまで来たなら後はもう少しだ。開発しきらせてくれ……! という訳で、私は行為終わりに粘りに粘っていた。
私の発言にツッコミを入れる零太くんに抱きつき、私は抵抗を試みる。
「私はお尻で気持ち良くなってる零太くんが見たいの! お願い何でもするから!」
「俺一回だけって言ったでしょ──今何て言いました!?」
『何でもする』という部分に、零太くんが反応した。これだ!
「私に出来る事なら何でもするよ」
「……何でも」
「そう、何でも」
私はにっこりと笑って頷く。そんな私を見て、零太くんはにやけていた。……何をお願いするつもりなんだろう。
僅かな不安は残るものの、この条件を出せば開発させてくれるのならば、私は喜んで『何でも』するつもりだ。
さぁ、零太くんはどう出る──!?
「分かりました、約束ですからね!」
ヨシ!!! 私は内心ガッツポーズをした。
「声に出てますよ名前さん……」