第1章 零太くん、一生のお願い!
「それ……」
「そう。ローションだよ」
私は零太くんに見せつけるように、ローションの入った小瓶を揺らした。
ゴム手袋を付けてから、小瓶の蓋を開けて小指にローションを垂らす。
べったりとした小指はこれからの行為を示唆しているようで、ゾクゾクとしたものが背筋を走った。
零太くんのお尻の穴に、自身の小指を宛てがう。
今からここに、私の指を入れちゃうんだ……そう思うと、
「ははっ……♡」
つい、笑い声が漏れてしまった。
ゆっくり、ゆっくりと、零太くんの中に小指を入れる。
もっと入れるのに苦労するのかと思ったが、案外すんなりと私の指を受け入れてくれた。
零太くんの中は温かい。こうしていられる幸せを感じながら、私は小指を第二関節まで進ませた。
えっと、確か私が参考にしたサイトには、第二関節まで入れたら出し入れをしてみようと書いてあったはず。
サイトに書かれていた内容を思い出しながら、私は指を動かしてみる事にした。
控えめに出し入れを繰り返してみると、水音が鳴った。
こ、こんな鳴るものなんだ!? 何だか恥ずかしい。こう、雰囲気がよりエロくなるような感じがして……。
こういう感想を抱く辺り、私も健全な高校生というヤツなのだろう。
「どう? 痛くない?」
小指を入れたまま、私は零太くんに問いかける。
「痛くはないっス。違和感? みたいなのはありますけど……」
私に指を入れられている零太くんが答えてくれた。私に指を入れられている零太くんが。
うわ、響きが良すぎる……。声に出したい日本語だ。
私がにやけているのは零太くんにも見えていたらしく、
「この状況でにやけられるの、何か身の危険を感じるんスけど……」
と言われてしまった。