第7章 ラプンツェル…妖精の物語♥️
いわゆる────妖精が隣人とまで云われて人と親しくしていたのは昔の話。
人間の数が増えて商業が発展していくにつれ、人は自然を売り買いするようになった。
そんな人々と、自然を殺めることなく共存する妖精たちは、当然のようにいつしか相容れなくなったのだ。
「美和。 その人間はもうとっくに死んでるんでしょう?」
「少しは彼らの数を減らさなきゃ。 私たちだって調整してるんだし」
他の仲間も美和に話しかけた。
彼女に注意を向けていたリュートが顎に指をあて、ふむ、と考え込む。
(彼女、人に育てられただけあって、ちょっと変わってるんだよなあ………とはいえ、仲間われなんて面倒だし)
一応は、彼がここのまとめ役である。
根本的に、妖精は平和主義であった。
事なかれ主義に似ているかもしれない。
「分かったよ、とりあえずさ。 二人でこの後、少し話し合おう」
そんなわけで、他の妖精たちはめいめいにお喋りしながら自分の住み処へと戻っていった。