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大人のおとぎ話 [ガチパロ]

第5章 眠れる森の美女…102年後♥️♥️




日が暮れて夜更けも近付いた頃。
公務を終えたイズミはやっと姫の寝室を訪ねることができた。

「うっ…う…うえっ…」

と、室内の、声がした部屋に入るとベッドに突っ伏した姫が珍しく泣いている。

(こんな姫は初めてだ)

妻を慰めるのも善き夫の務めだな。 彼は珍しく謙虚な気持ちになり、傍に座って彼女の頭を撫でながら聞いたのだった。

「どうしたの? 何があったのかな」

ところがどれだけ経っても姫はその理由を話そうとせず泣くばかり。
16歳からほぼ眠っていた彼女は年の割に幼く、対して、十も年上のイズミはそんな姫にうんざりしてきた。

「オーロラ、俺は公務で疲れてるんだよ。 これから国を支える母堂がそんなことじゃいけないね」

少しきつい口調で諭したところ、姫がしゃくりあげながら口を開いた。

「だって私。 く、櫛を……う、壊し…て」

「櫛?」

イズミが訝しげに聞き返した。
顔を上げた姫が、慌てて体を起こし言葉を重ねる。

「あっ。 もちろん、わ、わざと…じゃ」

相手の家族の悪口を言ってはいけない。 そう気遣った姫は、弟王子のことは口にしなかった。

「ああ、あの蝶々のやつね。 それなら明日行商を呼ぼうか。 新しい物を買えばいい」

イズミはなんだそんなこと、とでも言いたげに軽く微笑みを返す。

「………」

目に涙をためたまま、姫がじいっとイズミを見つめる。
彼の機嫌は悪くなさそうだった。

「どうしたの、俺が怒るとでも?」

「…い、っえ……でも」

どこか戸惑って姫が視線を下に向ける。

「おいで」

イズミは彼女の肩を抱き寄せた。
ふわりと甘い姫の香りが鼻腔をくすぐる。

早速に情欲の兆しを下半身に認め、彼はこの問題は解決したとばかりに姫のドレスに手をかけた。

(疲れてるとシタくなるんだよねえ)

実は仕事の帰りに、先ほど召使いの女性をつまみ食いしたばかりだったが、イズミの旺盛な性欲は収まりそうもない。



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