第1章 みにくいあひるの子 …池のほとりで♥️
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「ただいま。 これ、お昼ご飯」
家族のもとに戻ったアヒルはオオカミ姿に変わっていて、母アヒルは彼が取ってきた草木の実を見て不満げに鼻を鳴らした。
「チッ、こんなもの血肉にもなりゃしない。 役立たずだな!」
「今の季節は魚が少ないんだよ。 それに、ビタミンCもとらなくちゃ」
「口答えするのか、生意気な!」
母アヒルの緑の目が鋭く光り、尖ったクチバシでアヒルの子を小突いた。
「っ………」
続いて、他の子アヒルたちも面白がって彼を小突く。
そうされながら、アヒルの子は悲しそうにじっとしていた。
『貴方は必要なものを選ぶ権利があるんだよ』
木こりの言葉が頭に浮かんでは消えた。