第1章 みにくいあひるの子 …池のほとりで♥️
そう頭の中で反芻し、夢中で乳房を舐めしゃぶる。
脳と下半身にドクドクと血が集まっていった。
アヒルは芯を持ち始めた乳頭を咥え唇や舌でしごき、その周りの白い肌を吸っていくつもの痕をつけた。
そうしてるうちに、どこからか甘酸っぱい匂いがしてきた。
「あ、ああっ…いや」
弱々しく抗っている彼女を見下ろしたアヒルは本能で理解した。
「………発情してる雌の匂いだね」
そこに他の雄の匂いは混ざってない。
アヒルの頭がすっと冷え、怯えた表情の木こりを安心させようと体を起こす。
(けど微かに匂うこれは、強いて言うなら)
アヒルが考えていたその時。
若い男性の声が辺りに響いた。
「真弥! どこだ?」
「あ」
慌てて飛び起きた木こりがはだけたシャツの前を覆う。
男性といっても、どうりで彼女と似た匂いがした。 と、アヒルは彼女が大人だと言ったのは彼と比較したのだと思った。
『お、弟なの。 こんな事バレたら、貴方殺されちゃうよ』
木こりが小声で言う。
この後に及んでこちらの事を心配してくれるなんて。 アヒルは喉に何かがつっかえそうになる思いで彼女の胸のボタンを留めてあげた。
「ありがとう。 大丈夫だよ………突然ごめんね」
この人はこんな風に扱うべきじゃない、アヒルは思い直し謝罪をした。
「平気。 じ、じゃあ。 私、戻るねっ!」
木こりが真っ赤な顔で立ち上がる。
「うん」
「あの」
「ん?」
くるっと振り向いた木こりが花みたいな笑顔ではにかんだ。
「またね?」
「………」
途中途中でコケそうになりながら駆けていく。
そんな彼女のすらりと背の高い後ろ姿を、アヒルは何とも言えない気分で見送った。